Vol.173葉山　穏やかに桜の春を迎える

本年は思いのほか冷たい風が続きました。
心待ちにしていたさくらの開花もじれったいほどです。
卒業式もすんで気が付けば入学式の４月７日、
ようやく葉山町の桜も満開となりました。
今回は葉山町に点在するたおやかな桜の佇まいをご紹介いたします。

葉山元町、森戸川のほとりで河岸の菜の花に
話しかけるように枝を広げる桜があります。
遊歩道から手の届きそうな空を覆う
枝ぶりは近辺の寒緋桜の深いピンク色と競演して実に華やかです。

御用邸の中を流れる下山川は町内を通り
野生鳥類が水中の食べ物をついばむ姿がよく見られます。
鳥たちが飛び立つと舞い散った花弁が川面を流れ
水面を覆っていきます。

葉山一色の役場周辺は「花ノ木公園」として町民憩いの
場となっています。ちょうどランドセルデビューの
子供たちが満開のソメイヨシノの下でご両親のカメラに
照れくさそうに笑顔をむけていました。
少し早い時期には公園内の枝垂れ桜が優美に先陣をきり優しい花を咲かせます。

公園は15000株のつつじが有名で、桜が終わると同時に
極彩色の爛漫を披露します。
今はまだかわいい蕾が桜の下で眠っているようです。

つつじと

桜の花が満開になりその花塊で枝がたわむようです。
花曇りだった日も、春の暖かな日差しのなかでも
あたりがぱあっと明るくなるような花の反映が好きだ。
同じ景色の見え方が変わるのが不思議です。
春のセレモニーにふさわしい、咲いて散る潔さこそ
日本の美しさだといまさらながら感動する。