Vol.187　永楽家旬の和菓子に出会う季節

明治42年創業の老舗菓子店の「永楽家」は
歴史と由緒を感じる佇まいで道行く旅人も
興味深く眺めている。

およそ100年前の葉山元町辺りはどんなだったろうか。
海沿いの街道筋は民家もまばらでおそらく海まで見通せたはずである。
漁師の小屋や三浦野菜の八百屋が並び森戸神社へ詣でる
人がのどかに歩いていたと想像すると楽しい。

そんな時代から伝統の味を守り続ける永楽家は
タイムスリップしたような店構えと店内設えに豊かな風情の
往事が偲ばれる。

およそ６５年前から販売するアワビ最中はあわびを模した
大きすぎない形が実に食べやすい。
甘さも程よく軽く一口サイズ。
葉山のお土産では唯一無二の好適品としてお勧めの品である。
昔ながらの製法で作られる、最中、季節のかぼちゃ饅頭、豆大福
どれも美味しくひんやりした秋の葉山にぴったりの和菓子である。