Vol.78 葉山・日の出園で過ごす、どこか懐かしい時間 ~あんみつとお蕎麦をおともに~
お茶屋さんという響きには、なぜだかわくわくしてしまう。
小さい頃に読んだ小説に、町娘が茶屋でお茶をするシーンがあったからだろうか。
それとも、その名前から美味しいお茶と和菓子が連想されて、
食いしん坊の心がむくむくと出てくるからだろうか。
葉山にある「日の出園」は、前から行ってみたい場所の1つだった。
最初に知ったきっかけは、夏季限定のかき氷だ。
日の出園のホームページには、「お茶屋さんのかき氷」と題して、抹茶のふんわりしたかき氷に
ぽってりした小豆がかかった写真が載っている。氷のふわふわや、小豆の品のいい甘さを想像しつつも、やはり気になるのは抹茶の風味だ。
抹茶を使ったスイーツは、それだけで嬉しい。
最近ではシンガポールや台湾など、海外でも抹茶スイーツが販売されているほど
大ブームだ。
お抹茶自体のあのほのかな苦みも、こっくりした緑色も、口につけた時の柔らかな食感も
とても良い。そんな抹茶を使ったスイーツとなると、もう美味しいに決まっている。
さらに日の出園は、もともとお茶を販売している専門店でもあるのだ。
そんなお茶屋さんの抹茶味かき氷には、やはり期待がふくらむ。
ということで、葉山に来るようになってから
日の出園はとても気になっていた。
かき氷のシーズンになるまで待つつもりだったけれど、
先日近くまで行く機会があったので、我慢できずに入ってしまった。
お店の前には、昔懐かしいお茶を焙煎する機械がおいてある。
最近では、ほとんど目にすることはなくなってしまったように思う。
店内に入ると、ちょっと懐かしい匂いがした。
机の真ん中には、小さな囲炉裏のような穴の上に
やかんがのっていて、ノスタルジーを感じる。
窓から見えたのは、なんとちょうど咲いていた梅の花。
写真だと少し分かりづらいけれど、梅鑑賞をしながらお茶を頂けるなんて
とても贅沢な時間じゃないだろうか。
日の出園に来るまでは知らなかったのだけれど、
お茶やあんみつなどの和菓子の他に
お蕎麦のメニューがあった。
抹茶と同じように、お蕎麦は大好物だ。
あのつるっとした気持ちよいのどごし。蕎麦つゆの芳ばしい香りに
しゃきっとしたネギ、そして海苔。
日の出園のお蕎麦は、しっかりとした硬さが嬉しい。
つるっとすすると、あっという間になくなってしまう。
ネギの風味を味わいながら、気持ちよくいただく。
デザートには、お店の方おすすめのあんみつと、
和菓子付きのお茶セットを。
あんみつの何がおすすめかというと、写真でも見える寒天だ。
表現が少し変かもしれないが、まるで生きているような
ぷるぷるの、こしがある寒天は
今まで食べたことがない新鮮さ。
普段は、寒天に黒蜜をつけて食べるのが好きだけれども
日の出園の寒天は、寒天だけでもずっと食べていたくなる。
名物のほうじ茶はとても香ばしく、
まだ寒かった2月末の冷えた体に、ほんわりと染みこんできた。
お会計が終わり、お店の方と少しお話を。
最近では昔ながらの焙煎機は見かけなくなりましたね、だとか
このお店に入った瞬間に、とても懐かしい匂いがしたんですよ、とか。
何でもない会話が弾む時間が、なんだかすごく温かい。
お土産に、葉山のしょうが紅茶と、クッキーを買った。
どちらもお店の方おすすめだ。
しょうが紅茶は、午後の一息つきたい時間にぴったり。
クッキーは、「HINODEEN cafe HAYAMA」と日の出園のロゴが入っていて
海外の方にも喜ばれそうだ。
静かな場所にたたずむ、日の出園。
華やかなカフェも好きだけれど、
素朴で、温かみを感じるお茶屋さんで
ゆっくり葉山時間を過ごす。
そんな1日も、きっと素敵だ。
silent, simple.. but luxury time for me
Caori
<日の出園>
喫茶は毎週月曜日定休(祭日の場合は営業)
TEL:046-875-5134
Address:神奈川県三浦郡葉山町長柄1413-212
The Canvas Hayama Parkから車で15分
詳細は、日の出園の公式サイトをご覧ください
http://www.hayama-hinodeen.com/
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