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Vol.80 ~春のごちそう~葉山の天然若芽漁を見学(前編)

春の植物といえば桜が主役だが、桜の淡いピンク色に負けない
美しい色の植物がある。
海の中で春の旬を迎える、若芽(わかめ)だ。

天然の若芽は、低い水温でより成長するデリケートな海藻である。
成長すると2メートルにもなる葉は
ゆらゆらと潮のリズムにもシンクロし、海と一体化する。

春先のこの時期だけ味わえる、貴重なごちそうだ。
日常、いろいろな料理に使われる
若芽は、日本人にとっておなじみの食材だ。
しかし、多くは養殖だったり 外国産だったりする。

天然若芽の美味しさとは香りや食感のみならず、内包された出汁のこくである。
冷たい水面下で海の栄養分をたっぷり取り込み、
波に揉まれて鍛えられる。

若芽は主に日本と韓国で食べられると言われているが、
改めて驚くのはその栄養素の多さである。

タンパク質 18種類、ビタミン 15種類、ミネラル 10種類、。
そして食物繊維、アルギン酸、フコイダン
と身体のためになるものばかり。

コレステロール値の降下、心筋梗塞、動脈硬化 防止・・と
まさにスーパー健康食である。
もちろんダイエットの強い味方でもある。

今日は、葉山で天然若芽漁をされている舘野晃士さんを訪ねた。

葉山名物、天然若芽漁は春のごちそうだ。岩場にはびっしりと青のりが張り付いている。

国道134号から海へと通じる路地を抜けると、磯の香りが満ちる
引き潮の浜が。岩場も多く、びっしりと青のりが張り付いている。

はるか沖合からふねが戻ってきた。
舘野さんの船、「晃士丸」だ。

葉山名物、天然若芽漁は春のごちそうだ。舘野さんの船、「晃士丸」が漁から戻ってきた

船には、長い竿。先には鉤と大きな箱眼鏡。
そして、キラリと光る茶褐色の採れたて若芽が満載である。

この日はなんと約100キロの水揚げ。

漁の場所は長者ヶ崎や鐙摺沖合いで、水深2~3メートルほどの深さだ。
今日の海は凪いでいて、漁には適した天候だそう。

砂浜に錨を投げ入れ、船を固定する。

葉山名物、天然若芽漁は春のごちそうだ。漁師小屋に運ばれると、3人の女性陣が手際よくメカブと若芽を分けていく。
大きな籠に溢れる若芽は、漁師小屋に運ばれると
3人の女性陣によって
手際よくメカブと若芽といらない根に切り分けられる。

ほんの小さい石付き根っこ以外、捨てるところはない。

メカブの形は、モダンな照明器具みたいで面白い。
店頭で販売されているメカブしか知らないと、とても驚く。

若芽よりも粘りが強いメカブは、若芽の成長の源なのだ。
フリルのようなひだが特徴的である。

葉山名物、天然若芽漁は春のごちそうだ。大きな釜でゆで上げられ、色が変わっていく

直径1メートル余りの窯に煮立った湯は、薪をくべるとぐらぐらと湯気を上げる。
横には数個の桶に冷水が張られている。

いよいよ、若芽が一風呂あびる時がくるのだ。
そして若芽の本体は、煮立った窯で目の覚めるような色に変身していく。

~後編に続く~

Spring has come... and we can eat a spread dishes, such as Wakame.

Yoshifumi.


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