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Vol.104 令和2年、元日の葉山に祈る

新善行寺は静寂の森に除夜を迎え、赤々と炊かれた炎に人びとが続々と集まりだす。
夜を通して百八の煩悩解脱を祈る。

新善行寺、大晦日のかがり火

来る年はどうぞ穏やかで豊かな毎日を重ねていけますようにと、
綱を引き、鐘の一突きに想いを込める。

放たれた梵鐘の音は、かがり火の火の粉とともに
星座満天の夜空に響き渡る。

人は寒空にもかかわらず、新年に向けて列をなし
深夜の境内は白い吐息で包まれた。

厳粛で重厚な鐘の音は新年に向けて、いつまでも鳴り響いていた。

新善行寺の鐘楼。除夜の鐘の様子。

令和2年の元旦は、さすがに気温が真冬の厳しさに戻ったが、
冷涼な晴天に恵まれた。

真名瀬漁港には正月、休漁の漁船が錨を下ろし、
新年を祝う大漁旗を翻す。

真名瀬漁港の漁船団が5台並ぶ。

色鮮やかな旗は好天の青空にいかにもめでたい静かな海を願い、
豊漁を祈る勇壮な船団は初漁を待ち揺蕩う浮かんでいる。

森戸神社には様々な県外ナンバーの車が初詣の車列をつくる。
社殿の礼拝に並ぶ参拝者もそれを上回る長さで、
境内を出てみそぎ橋まで続いていた。

森戸神社の参道。初詣の列が並ぶ
みそぎ橋まで並ぶ参拝者の列

鈴緒を握り鈴を鳴らし、
柏手を打ち
家内安全、健康成就を祈る。

おみくじを引き、
お守りをいただく参拝者の手には
破魔矢が光る。

みそぎ橋まで並ぶ参拝者の列

石原裕次郎を偲ぶ記念碑のある岸壁からは富士山が遠く霞む。
江の島も伊豆半島も波路の彼方に蜃気楼のように浮かぶ。

うららかな陽光と春霞に入江はのたりのたりと気持ちがいい。

長く続く砂浜に歓声をあげる子供たち。
凧は抜けるような青い空にひらひらと舞っていた。

森戸海岸では子供たちが凧揚げをしている。ダイヤ型の凧が2枚上がっている。

お正月に家族旅行は日本ならではの楽しみである。
有名温泉や観光地でご馳走を囲む贅沢はごく一般的になりつつある。

葉山には、ならではの楽しみ方がある。

冬の海にサップで漕ぎ出したり、古民家レストランを探したり。
愛犬と渚を初散歩して、釣りに興じる。
思い切って、澄んだ海にスキューバ!

求めて動く、探して遊ぶ、与えられないことの贅沢に気が付く。
寄せる潮騒が時計のようで、時間がこんなにもゆっくり進むのに気が付く。

***

The Canvas Hayama Parkにも新しい年が巡り来て
初春に葉山で滞在するお客様をお迎えした。

燃える太陽が音もなく沈む浜辺を目前に
家族や友人が新年を寿ぐ、大切な時間を当宿で過ごすことが出来れば、至上の喜びである。

本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

令和2年。葉山公園から見る夕日。水平線の左に赤い夕日、右に富士山がみえる。

Happy new year.
We look forward to seeing you again in Hayama this year.

Yoshifumi,


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